メン喰い日和

家庭パスタの食材使いきり節約レシピ

ちょっとお休み:イタリアのパスタ〜カルボナーラ

 

ご訪問ありがとうございます。

 

GWも終わりですね。期間中は特に予定も無く、何をするわけでもなかったのですが、家の雑務に追われ、更新及び日々のパスタ作りはちょっとお休み中となってしまいました。そのため今回は、昔々、旅行などでイタリアを訪れた時に食したパスタの中から『カルボナーラ』を特集してみることにしました。

 

 

フィレンツェ:シニョーラMの台所

イタリア家庭のカルボナーラ

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(以前『卵のパスタ③クリームソース』の回でも触れたので、以下の文章は繰り返しになりますがご了承ください。)

フィレンツェに何度か滞在した際、一時期お世話になったお宅でご馳走になったカルボナーラです。滞在先の女主人シニョーラ(=マダム)Mの作るカルボナーラは生クリームなしの『卵のみ』で作るバージョン。彼女に言わせれば『生クリームを使うなんて(鼻で笑う)邪道。レストランじゃああるまいし!あんなのは本当のカルボナーラとは言えないわよ。』だって。実際彼女の作るカルボナーラは、卵とパンチェッタ(ベーコン)と、たっぷりのペコリーノチーズとたっぷりの黒コショウ。大変美味しいひと皿でした。

 

カルボナーラは冬のパスタよ。と言っていたシニョーラM。なぜ冬なのかはわからない。理由を聞きそびれたまま、結局わからず仕舞い。後になって料理教室に通った時にふとそのことを思い出し、講師の方に尋ねてみたけれど『そんなことを言う人もいるみたいだね』なんてことしか答えてもらえなかった。

 

シニョーラM宅にお世話になったのは10月の終わりから11月にかけての2週間ほどの期間。今も施行されているかはわかりませんが、当時のイタリア〜フィレンツェでは法令か何かで11月上旬(何日か忘れましたが)を過ぎなければ暖房を入れるのは禁止とされていました。その年の秋はとても寒く、10月と言えども暖房がなくちゃどうにも過ごせないほどの寒さながら、規則厳守の生真面目なシニョーラM宅では解禁になるまで暖房を入れるのはご法度。雪国育ちの道産子は暖房慣れしているせいで実は寒さに弱いので、あの寒さは辛かった。

 

まだ秋なのに冬みたい寒かった日の夜、『カルボナーラは冬のパスタよ。』というシニョーラMの言葉と共にカルボナーラが食卓に出ました。寒い室内で出来立てのカルボナーラから湯気が立ち上ります。そんなに熱々の食べ物でもないのにポカポカと体も心も温まるような気がして、なぜだか分からないながらも、妙に説得力のある言葉に聞こえたのでした。

 

 

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*シニョーラM宅からそう遠くないところにある『サンタ・マリア・ノヴェッラ教会』

フィレンツェの鉄道の玄関口で同名の『サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(中央駅)』の目の前に位置します。

色大理石のモザイクで飾られた外観も美しいですが、内部にはルネサンス初期の画家マザッチョのフレスコ画や、同じくルネサンス期に活躍したギルランダイオがデザインしたステンドグラスが美しく、見どころいっぱいの教会です。

  

フィレンツェ:料理教室にて

生クリームを使ったカルボナーラ

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*ピンボケ写真でスミマセン。

 

こちらのカルボナーラは生クリーム入り。シニョーラMに言わせれば『邪道』ですが(笑)、美味しかったです。材料は卵は卵黄のみ、他は生クリーム、オリーブオイル、パンチェッタ、パルミジャーノチーズと黒コショウ。作り方は、フライパンにオリーブオイルとパンチェッタを入れてじっくり炒め、ボウルに卵黄と生クリームとチーズと黒コショウを入れて泡立て器で“これでもかっ!”というぐらい混ぜておきます。よく混ぜることでソースがクリーミーになり、卵の黄色も鮮やかに綺麗になるような気がします。茹で上がったスパゲッティをフライパンに入れてパンチェッタと合わせてから、ボウルに移してソースと混ぜ合わせ、お皿に盛り付けてさらに黒コショウを振って出来上がり。

 

 10数年前、旅行を兼ねてイタリアに1ヶ月ほど滞在した際、4日間だけ通った料理教室で作ったパスタです。1回€30(くらいだったと思う)で『フルコースの料理を作り、フィレンツェ料理について学びながら会食』と謳っていたので、安くはないけれど勉強も兼ねると思えばまずまずの料金かなと、張り切って参加してみました。

 

初日は前菜〜といっても超簡単なトマトとバジルのブルスケッタを立ち食い〜と、トマトソースのパスタ〜もちろん立ち食い=よく言えば出来立てをすぐに“立食”〜、最後によく覚えていないけれど何か簡単なデザート作って、ハイ終わり。話が違う。これで€30じゃあ割りに合わない。

 

翌日クレーム(?)を入れ、2回目はフルコース料理となりましたが、期待していたほどの体験は出来ず仕舞い。あまりにベーシックなメニューにがっかり&うんざり。“日本はあなたたちが思う以上にイタリア料理が普及しているんですよ”と言いたくなりました。シニョーラMが作る〜時々失敗もある〜日常的な家庭料理の方がずっとバリエーションがあって美味しくて、楽しい体験だったなぁとしみじみ思ったものでした。

 

 

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フィレンツェ夕景。

町の中心を流れるアルノ川に架かるカッライア橋からの眺め。有名な観光スポットのヴェッキオ橋から下流に向かって2つ目の橋です。観光客はほぼ皆無。人影も少ないので、のんびりと心ゆくまでフィレンツェの美しい夕景を堪能できます。お気に入りの眺めです。丸天井の建物は『サン・フレディアーノ・イン・チェステッロ教会』。ガイドブックには載っていない小さな教会で観光客もほとんどいないので、静かな空間と時間を独り占めできます。すぐ近くには『サンタ・マリア・デル・カルミネ教会』があります。こちらではマザッチョによる『アダムとイブの楽園追放』を観ることができます。

  

ローマ:老舗リストランテ

カルボナーラの本場のカルボナーラ

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*『アル・モロ風スパゲッティ』お店の名前の看板メニュー、カルボナーラ

 カルボナーラの本場ローマで食べた、とてもとても美味しかったパスタです。この写真を友人に見せたところ『食べかけの写真?』と尋ねられましたが、違います。食べかけじゃぁありません。大皿の上で仕上げた出来立てパスタをシェアして半分乗せられたら、こうなりました。これ以前に訪れた際、一人分のカルボナーラのきれいな写真を撮影したのですが、時代はデジカメ以前。フィルムで撮ったもので掲載出来ず…残念です。あまりきれいじゃなくてスミマセン。

 

お店はローマ、トレビの泉近くにある老舗の『アル・モロ』というローマ伝統料理のお店。昔、旅行情報誌にも掲載されていたから、おそらく有名なお店だと思うのでご存知の方も多いかもしれません。イラストレーター『こぐれひでこ』さんのエッセイにも登場していました。どちらが最初の情報源だったかは忘れましたが、ローマを訪れた際に立ち寄ってみて、すっかり虜になりました。

 

とても素敵な落ち着いた雰囲気の、歴史を感じさせるお店ながら変な堅苦しさはなく、ローマの街を歩き回って汗だくのくたびれた姿でも、嫌な顔せず迎え入れてくれました。何を食べても美味しくて、料金も良心的。そんなことから再訪したお店です。いつかまたローマを訪れる機会があったなら、必ず行こうと思っています。

 

 

お店からそう遠くないところに『パンテオン』があります。パンテオンとは「すべての神々」と言う意味で、その名の通り、すべての神々を祭る神殿として建設された建物で、現存する最も完全な形で残るローマ時代の建築といわれています。ローマで一番好きな場所で、ローマを訪れるときは必ず立ち寄ります。いつも観光客がいっぱいでザワザワしているのに、なぜだか落ち着き、ほっとするのが不思議。荘厳でありつつも開放感のある構造によるのかもしれませんが、ギリシャ文化の流れを汲んだ、人間性の溢れる古代ローマ文化のおかげでもあるような気がします。「すべての神々」を祭り受け入れていた古代ローマ人のおおらかさに親しみを感じるのかもしれません。

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パンテオン外観

 

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パンテオン内部:観光客でいっぱい。

 

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パンテオン内部:円屋根の頂上に開いた穴から光が差し込みます。

 

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*首が痛い。


旅行シーズン到来ですが、海外はもとより国内でも今はなかなか出かけられませんね。社会人になってからは土日祝日も仕事だったのでGWに出かけることはほとんどありませんでした。そのせいもあって、GWだからといってウズウズすることは無いのですが、ここ数日なんとなく、昔、海外旅行で過ごした時間が妙に懐かしく、恋しくなり、昔の旅の写真を眺めていました。

 

昔に撮った写真はフィルムがほとんどで、まだデジタル化していないため使用できず、旅の写真で現在使えるデジカメ画像は少しだけ。出来は分からずともフィルムの写真はたくさんあるので、中には良いものもあるかもしれず…デジタル化したあかつきにはブログに役立てたいと思います。

 

無駄話ばかりでスミマセン。

 

  

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

 

 

もう日常に戻られた方も、まだGW休暇の方も、どうぞ良い週末をお過ごしください。